書籍☆中国武術史 3 拳聖 沢井健一先生
- 2017/07/10
- 13:01
増補改訂版が発売されました!
今回第三弾として取り上げるのは、「拳聖 沢井健一先生」
佐藤 嘉道 (著)である。
第三弾にて初めて、お勧めできる書籍を紹介できた気がするが、この書籍を最初に読んだ時は、実はそれほど印象には残らなかった。というのも当時の太気拳のイメージは、立禅や這いを行なって、後はとにかく喧嘩のような組み手を行なうというイメージしかなかったからである。そんな訳で貸してくれた兄弟弟子には、そっけなく返してしまった記憶がある。
ところが、それから3~4年経って無性にこの書籍が読みたくなり、京都か滋賀の書店で購入した。やはり本との出合いもその人が理解できる時期というものがあるのだろうか。読み返してみると、澤井氏の武術家としての熱く激しい生き様、それでいて弟子に対して話す素朴で妙に的を得た話など、完全に胸を打たれてしまった。中国武術を学ぶ人に限らず、ぜひ一読して頂きたい名著である。
以前、会員向けの拙文でも書いたが、意拳創始者 王薌齋(こうさい)と太気拳創始者 澤井健一との出会いは、第二次大戦の最中、まさに敵(かたき)同士の出会いだったと思う。出会いのいきさつについては、すでに幾多の書籍にて紹介されているが、王氏の娘さんは、日本人が父を殺しに来たと思ったくらいだそうだから、やはり緊迫した出会いだったのだろう。
そうした二人が後に師弟の関係になり、大戦後、澤井は日本の地に初めて内家拳を伝えた。修行の過程は本書に詳しいが、私が何より澤井氏がすごいと思うのは、この站樁を基にした意拳の練功法をやり続けたことである。現在では、太極拳などが日本で普通に行なわれ、書籍などで站樁について詳しく紹介されているが、澤井氏が帰国した大戦直後など誰もこのような練習をしていなかったと思うし、誰も理解しようとしなかっただろう。
王老師を信頼しながらも、この練習がいったい何の役に立つのか、どのような効果があるのか、またこの練習方法自体が正しいのかなど日々の葛藤は当然あったと思う。それでもやり続けたのは、やはりそれだけ王老師の言葉と技に惚れ込んでいたからだろう。
この敵国同士の武術家の出会いは、後に日本にて内家拳や気、中国武術という新たなカテゴリを据えた。澤井氏がいなければ、日本にこれほど内家拳は根付けなかっただろう。そういった意味でも、私は澤井氏は日本の内家拳の父と言えると思う。私は他門派の人間だが、それでも少しでも澤井氏の背中を追いかけ続けたいと思っている。
澤井氏の書籍としては、実戦中国拳法 太氣拳
がある。こちらでは多くの太気拳の練習方法や技法が紹介されている。また佐藤氏の著書「心に響く言の葉
」でも澤井氏について一部紹介されている。併せて参照されたい。
実戦中国拳法 太気拳 も増補改訂版が発売されました!
こちらもおすすめ!
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ところが、それから3~4年経って無性にこの書籍が読みたくなり、京都か滋賀の書店で購入した。やはり本との出合いもその人が理解できる時期というものがあるのだろうか。読み返してみると、澤井氏の武術家としての熱く激しい生き様、それでいて弟子に対して話す素朴で妙に的を得た話など、完全に胸を打たれてしまった。中国武術を学ぶ人に限らず、ぜひ一読して頂きたい名著である。
以前、会員向けの拙文でも書いたが、意拳創始者 王薌齋(こうさい)と太気拳創始者 澤井健一との出会いは、第二次大戦の最中、まさに敵(かたき)同士の出会いだったと思う。出会いのいきさつについては、すでに幾多の書籍にて紹介されているが、王氏の娘さんは、日本人が父を殺しに来たと思ったくらいだそうだから、やはり緊迫した出会いだったのだろう。
そうした二人が後に師弟の関係になり、大戦後、澤井は日本の地に初めて内家拳を伝えた。修行の過程は本書に詳しいが、私が何より澤井氏がすごいと思うのは、この站樁を基にした意拳の練功法をやり続けたことである。現在では、太極拳などが日本で普通に行なわれ、書籍などで站樁について詳しく紹介されているが、澤井氏が帰国した大戦直後など誰もこのような練習をしていなかったと思うし、誰も理解しようとしなかっただろう。
王老師を信頼しながらも、この練習がいったい何の役に立つのか、どのような効果があるのか、またこの練習方法自体が正しいのかなど日々の葛藤は当然あったと思う。それでもやり続けたのは、やはりそれだけ王老師の言葉と技に惚れ込んでいたからだろう。
この敵国同士の武術家の出会いは、後に日本にて内家拳や気、中国武術という新たなカテゴリを据えた。澤井氏がいなければ、日本にこれほど内家拳は根付けなかっただろう。そういった意味でも、私は澤井氏は日本の内家拳の父と言えると思う。私は他門派の人間だが、それでも少しでも澤井氏の背中を追いかけ続けたいと思っている。
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