武術家の宝物
- 2011/02/07
- 14:59
この中国武術の学び方〔習慣・常識編〕では、道場の探し方から、中国武術界独特の習慣や常識を紹介してきた。
当会の会員向けというよりは、これから中国武術を学びたい方や他門派で現在学んでいる方にも配慮した内容だったからだろうか、年末年始は連日100アクセス以上の閲覧者がいたようだ。
これから中国武術を学んでいく方々は、端的なスポーツとしてではなく、生涯武道と捉え、時間を掛けじっくり学んでいってほしいと思う。
そのためには、まずしっかりとした目標や目的を定め、良い先生を探し、入門してからは、情熱を絶やすことなく注いでいってもらいたい。その上で、先生に気に入られることも大事である。
そして…
究極の話しをすれば、
あなたの宝物は何ですか?
と聞かれ、あなたはどう答えるだろうか。または何が頭に浮かぶだろうか。
ブランド品のバックだろうか。あるいは車や楽器と答える人もいるだろう。
もしくは何かのすごいコレクターの方もいるかもしれない。
皆さんは、それを手に入れるのために、どれだけの費用や苦労をしたのだろうか。
何ヶ月間も貯金をして手に入れたかもしれないし、非売品の物であれば、とにかくあらゆる伝手や手段を用いて手に入れたことだろう。
職人や技術者であれば、今まさに自分が身に付けている技術や知識が宝物だと答える方もいるだろう。
その職人や技術者は、何年の月日をかけ、どれだけの苦労をして、その技術を自分のものとしたのだろうか。
あるいは自分の宝物は、子供や家族と答えた方も当然いたと思う。これ以上に大切なものなど他にあるのだろうか。
それだけ苦労して手に入れたものや大切な存在を簡単に人に譲ったり、教えたりするものだろうか。
中国武術の先生にとっては、まさに武術が宝物だし財産だろう。
その宝物を見せたり、教えたりするのであれば、その先生と同じだけの期間をかけて、同じだけの努力をして、そして同じだけの覚悟がある人だけだろう。
中国武術の学び方⑤で技術的にずば抜けている先生は、無愛想だったり頑固な先生も多いと書いたが、こういった先生は、それこそ常人の何倍もの練習をしてきて、同時に自分と同じ覚悟がある人間は、他にいないという誇りもあるのだろう。
私はそういった先生方ほど技術を持っている訳ではないし、そこまで頑固でもないが、私の道場へも連絡もなしに見学に来て「どれ位でものになりますか?」とか「何年で終わりますか?」と尋ねてくる方がたまにいる。
また自分の条件に合わせて、自分にとって都合の良いように教えてくれと言ってくる方もいる。
師兄弟の紹介やよほどの情熱を感じることがあれば、教える事があるかも知れないが、基本的に私はサービス業で武術を教えている訳ではないので、やはりある程度、その門派の教授体制に合わせるという努力も必要だろう。
更にひどい人になると月謝をまけてくれという人もいる(苦笑)
こういった方達に共通しているのは、武術を軽く見ているという事実である。
大変失礼だとは思うが、私は正直者なので、こういった方達にはこう答える。
「おそらくあなたはものにならないでしょうし、続かないでしょう。」
実際にその方がどれだけの情熱を注いで練習するのかも分からないし、実際に2~3年は付き合ってみなければ、その情熱がどれだけ続くものか分からないからである。
また自分の宝物を軽く見ているのだから、こちらにも教えたいという意志がない。だから、こう答える以外無いのである。
こういった方達の話を聞いていると、大概は色々な武術を少しかじっては辞めの繰り返しをしている方が多いようだ。
こういう方達は、よほど気持ちを入れ替えて、真摯に学ぶ姿勢を身に付けなければ、一生同じような行為を行って、結局どの先生からも信用はされず、功夫は身に付かずに終わっていくのだろう。
ちなみに、S道場のT先生などは、もうこういった方達とは一切関わりたくないということで、入会費を15万円にしてしまった。要するに、これだけの入会費を払ってでも学びたいという方以外には、教えたくないという事だろう。ある意味、さっぱりしていて気持ちが良い。
我々が武術を学ぶ場合、少しでも良い先生、本物の先生を求める。それと同様に先生達のほうでも、同じ覚悟を持った良い生徒達を求めている訳である。「学ぶ覚悟」というものも、武術を学んで行く上で、ひとつの重要な項目には、なっていくだろう。
2011-02-07 記
Copyright(C)2003-2012 福岡伝統太極拳 湧泉会 All rights reserved.
当会の許可無く転載を禁じます。
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そのためには、まずしっかりとした目標や目的を定め、良い先生を探し、入門してからは、情熱を絶やすことなく注いでいってもらいたい。その上で、先生に気に入られることも大事である。
そして…
究極の話しをすれば、
あなたの宝物は何ですか?
と聞かれ、あなたはどう答えるだろうか。または何が頭に浮かぶだろうか。
ブランド品のバックだろうか。あるいは車や楽器と答える人もいるだろう。
もしくは何かのすごいコレクターの方もいるかもしれない。
皆さんは、それを手に入れるのために、どれだけの費用や苦労をしたのだろうか。
何ヶ月間も貯金をして手に入れたかもしれないし、非売品の物であれば、とにかくあらゆる伝手や手段を用いて手に入れたことだろう。
職人や技術者であれば、今まさに自分が身に付けている技術や知識が宝物だと答える方もいるだろう。
その職人や技術者は、何年の月日をかけ、どれだけの苦労をして、その技術を自分のものとしたのだろうか。
あるいは自分の宝物は、子供や家族と答えた方も当然いたと思う。これ以上に大切なものなど他にあるのだろうか。
それだけ苦労して手に入れたものや大切な存在を簡単に人に譲ったり、教えたりするものだろうか。
中国武術の先生にとっては、まさに武術が宝物だし財産だろう。
その宝物を見せたり、教えたりするのであれば、その先生と同じだけの期間をかけて、同じだけの努力をして、そして同じだけの覚悟がある人だけだろう。
中国武術の学び方⑤で技術的にずば抜けている先生は、無愛想だったり頑固な先生も多いと書いたが、こういった先生は、それこそ常人の何倍もの練習をしてきて、同時に自分と同じ覚悟がある人間は、他にいないという誇りもあるのだろう。
私はそういった先生方ほど技術を持っている訳ではないし、そこまで頑固でもないが、私の道場へも連絡もなしに見学に来て「どれ位でものになりますか?」とか「何年で終わりますか?」と尋ねてくる方がたまにいる。
また自分の条件に合わせて、自分にとって都合の良いように教えてくれと言ってくる方もいる。
師兄弟の紹介やよほどの情熱を感じることがあれば、教える事があるかも知れないが、基本的に私はサービス業で武術を教えている訳ではないので、やはりある程度、その門派の教授体制に合わせるという努力も必要だろう。
更にひどい人になると月謝をまけてくれという人もいる(苦笑)
こういった方達に共通しているのは、武術を軽く見ているという事実である。
大変失礼だとは思うが、私は正直者なので、こういった方達にはこう答える。
「おそらくあなたはものにならないでしょうし、続かないでしょう。」
実際にその方がどれだけの情熱を注いで練習するのかも分からないし、実際に2~3年は付き合ってみなければ、その情熱がどれだけ続くものか分からないからである。
また自分の宝物を軽く見ているのだから、こちらにも教えたいという意志がない。だから、こう答える以外無いのである。
こういった方達の話を聞いていると、大概は色々な武術を少しかじっては辞めの繰り返しをしている方が多いようだ。
こういう方達は、よほど気持ちを入れ替えて、真摯に学ぶ姿勢を身に付けなければ、一生同じような行為を行って、結局どの先生からも信用はされず、功夫は身に付かずに終わっていくのだろう。
ちなみに、S道場のT先生などは、もうこういった方達とは一切関わりたくないということで、入会費を15万円にしてしまった。要するに、これだけの入会費を払ってでも学びたいという方以外には、教えたくないという事だろう。ある意味、さっぱりしていて気持ちが良い。
我々が武術を学ぶ場合、少しでも良い先生、本物の先生を求める。それと同様に先生達のほうでも、同じ覚悟を持った良い生徒達を求めている訳である。「学ぶ覚悟」というものも、武術を学んで行く上で、ひとつの重要な項目には、なっていくだろう。
2011-02-07 記
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