起勢式 1
- 2013/06/18
- 22:39
起勢式1

さて今回から基本功について説明していこうと思う。
実は一言で基本功といっても、目的別に様々な基本功がある。
① 内家拳独特の基本姿勢を身につける。
② 足腰を強化する。
③ 内家拳独特の身体の動かし方を学ぶ。
④ 内家拳独特の力の出し方を身につける。
などである。
当会では、站樁の稽古で基本姿勢を身につけ、準備運動(基礎錬功法)でより内家拳的な身体を作っていく。当会の準備運動は、単なるウォーミングアップやストレッチとは違い、内家拳を行なうための身体作り、いわゆる練功法でもある。歩法の稽古では、強靭な足腰とバランス感覚を養っていく。
当会でもっぱら基本功と呼んでいるのは、
③ 内家拳独特の身体の動かし方を学ぶ。
④ 内家拳独特の力の出し方を身につける。
になるだろうか。
基本功の第一回では、起勢式を取りあげてみたい。
当会の会員以外の読者の方は、何だ起勢式かと拍子抜けしたかもしれない。
確かに起勢式自体は、珍しくも何ともない。太極拳のほぼ全ての套路で最初に行なう手を上下する動作である。
読者の中で、起勢式を套路の最初に行う動作という認識だけでなく、起勢式のみを抜粋して徹底的に練り込んだ経験のある方は、どれほどいるだろうか。おそらく当会の会員以外では、ほとんどいないのではないかと思う。
当会で考える起勢式の目的としては、
① 身体をポンプ化(ピストン化)する。
② 下方に向かっての按勁の養成。
の2点が挙げられる。
他に上方に向かっての掤勁の養成も考えられるが、掤勁については、站樁及び他の練功法によっても養成されるので、今回は上記の2点に集中したい。
では、まず① 身体をポンプ化(ピストン化)する。とはどういうことだろうか。
站樁を行なう目的のひとつとして、内功の養成を挙げた。
内功を養成すれば全身に気血が循環し、それだけでも健康には良いが、それだけでは武術としての用は成さない。(この場合の武術というのは、実戦という意味ではなく、主に武術としての身体の使い方をさす)
武術として役立たせるためには、養ってきた内功をある種の力として転化する必要がある。(この内功を基にした力のことを勁力という)内功を力として転化する第一歩が、站樁等の稽古法により下方に沈殿させた内気を一旦上に引き上げ、腕に通すと同時に再び身体内を下に落ろしていく起勢式という動作になる。
具体的には、身体を大きな注射器のようにイメージし、地面から薬剤を吸い上げるように少しずつ内気を引き上げていく。この際、身体は膨張していこうとするが、身体内は真空で一切漏れ場がなく、逆にある意味膨張ができない状態にする。そして引き上げた内気を腕と再び身体にも通し、薬剤を逆に地面に注入していくような感じで下ろしていく。この時身体は圧縮していこうとするが、やはり一切漏れ場ないため、圧縮できない状態にする。この動作を何度も何度も繰り返し、少しずつ内功を上下させる感覚を養っていく。言葉にすると簡単だが、実際にはこれが非常に難しい。
私は前出したN師父の下で、この起勢式を徹底的に練らされた。そして、おそらく今も当会の会員の中で、一番起勢式を練習しているだろう。それでも、まだまだ完成したとは言えない。練習を続けていると、段々と精度が増していくのを実感するし、身体の感覚も変わっていく。また起勢式が変わることで、他の基本動作や套路にも影響し、全てが変わっていく。当会ではやはり最重要の基本功であると言える。
1年後、5年後、10年後、20年後、はたして各自どのようなレベルの起勢式を行っているか、楽しみながら功を積んでいっていただきたい。
2010-01-11 記
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① 内家拳独特の基本姿勢を身につける。
② 足腰を強化する。
③ 内家拳独特の身体の動かし方を学ぶ。
④ 内家拳独特の力の出し方を身につける。
などである。
当会では、站樁の稽古で基本姿勢を身につけ、準備運動(基礎錬功法)でより内家拳的な身体を作っていく。当会の準備運動は、単なるウォーミングアップやストレッチとは違い、内家拳を行なうための身体作り、いわゆる練功法でもある。歩法の稽古では、強靭な足腰とバランス感覚を養っていく。
当会でもっぱら基本功と呼んでいるのは、
③ 内家拳独特の身体の動かし方を学ぶ。
④ 内家拳独特の力の出し方を身につける。
になるだろうか。
基本功の第一回では、起勢式を取りあげてみたい。
当会の会員以外の読者の方は、何だ起勢式かと拍子抜けしたかもしれない。
確かに起勢式自体は、珍しくも何ともない。太極拳のほぼ全ての套路で最初に行なう手を上下する動作である。
読者の中で、起勢式を套路の最初に行う動作という認識だけでなく、起勢式のみを抜粋して徹底的に練り込んだ経験のある方は、どれほどいるだろうか。おそらく当会の会員以外では、ほとんどいないのではないかと思う。
当会で考える起勢式の目的としては、
① 身体をポンプ化(ピストン化)する。
② 下方に向かっての按勁の養成。
の2点が挙げられる。
他に上方に向かっての掤勁の養成も考えられるが、掤勁については、站樁及び他の練功法によっても養成されるので、今回は上記の2点に集中したい。
では、まず① 身体をポンプ化(ピストン化)する。とはどういうことだろうか。
站樁を行なう目的のひとつとして、内功の養成を挙げた。
内功を養成すれば全身に気血が循環し、それだけでも健康には良いが、それだけでは武術としての用は成さない。(この場合の武術というのは、実戦という意味ではなく、主に武術としての身体の使い方をさす)
武術として役立たせるためには、養ってきた内功をある種の力として転化する必要がある。(この内功を基にした力のことを勁力という)内功を力として転化する第一歩が、站樁等の稽古法により下方に沈殿させた内気を一旦上に引き上げ、腕に通すと同時に再び身体内を下に落ろしていく起勢式という動作になる。
具体的には、身体を大きな注射器のようにイメージし、地面から薬剤を吸い上げるように少しずつ内気を引き上げていく。この際、身体は膨張していこうとするが、身体内は真空で一切漏れ場がなく、逆にある意味膨張ができない状態にする。そして引き上げた内気を腕と再び身体にも通し、薬剤を逆に地面に注入していくような感じで下ろしていく。この時身体は圧縮していこうとするが、やはり一切漏れ場ないため、圧縮できない状態にする。この動作を何度も何度も繰り返し、少しずつ内功を上下させる感覚を養っていく。言葉にすると簡単だが、実際にはこれが非常に難しい。
私は前出したN師父の下で、この起勢式を徹底的に練らされた。そして、おそらく今も当会の会員の中で、一番起勢式を練習しているだろう。それでも、まだまだ完成したとは言えない。練習を続けていると、段々と精度が増していくのを実感するし、身体の感覚も変わっていく。また起勢式が変わることで、他の基本動作や套路にも影響し、全てが変わっていく。当会ではやはり最重要の基本功であると言える。
1年後、5年後、10年後、20年後、はたして各自どのようなレベルの起勢式を行っているか、楽しみながら功を積んでいっていただきたい。
2010-01-11 記
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