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書籍☆中国武術史 4 詠春拳入門

今回紹介する書籍は、詠春拳入門―戦慄の実戦拳法 川村 祐三(著)である。

  

私は初版本を購入したが、後に改訂版が再販された。現在は絶版のようで定価は2,300円位であったが、中古品でもかなり値段が高騰しているようだ。詠春拳は日本ではあまり知られていないが、欧米ではブルースリーが最初に学んだ拳法として有名である。ちなみに川村先生は、日本語学校の教師だったそうで英会話の本も出版されている。

この書籍を購入した頃の私は、念願の陳式太極拳を学び始めていた。ただ残念ながら、その当時習っていた教室でも納得のいくような稽古法や指導は受けられなかった。今になって考えると仕方のない話で、当時は陳式太極拳を教える教室といっても、指導者自体が講習会等で陳式の套路を覚えて帰ってくるのが精一杯の状態で、まだまだ先生達もどう教えればいいのか、どう練習すればいいのか試行錯誤の段階だったと思う。また套路を学ぶ事自体もちろん大切だが、やはりその門派の身体作りや基本功、練功法なども合わせて学ばなければ、結局は用を成さないのだろう。

大手の団体では、当時から訪中団を結成して北京や上海、そして陳家溝などへと派遣していたが、現在の中国と違い交通手段や宿泊施設も整備されていない頃で、皆さん大変な思いをして学んで来られたのだと思う。そういった方たちの中から現在では、素晴らしい陳式太極拳の指導者もいるようだ。改めてその方たちには敬意を表したい。

詠春拳入門に話を戻そう。当時、日本で出版される中国武術系の書籍は、ほとんどが北派拳法を扱ったもので、南派拳法を専門的に扱った書は、この書籍が初めてだったのではないだろうか。本書では、詠春拳の歴史、基本技法、小念頭の套路、応用、対人練習まで実に丁寧に紹介されている。

この書籍に関する私自身のエピソードとして、もう太極拳はなかなか良い先生もいないので詠春拳に乗り換えてしまおうかと思い、当時、詠春拳武学社では通信教育を行なっていると本書に記載されていたので、手紙を書いた記憶がある。

返事には、九州地区は遠方のため通信教育の範囲ではないが、年に数回上京が可能であれば考慮する。また期限内に5名以上の受講者を集められれば、指導員を派遣するといったような条件が記載されていた。結果として条件がクリアできず断念してしまったが、今考えれば無理をしてでも習っておけばよかったと後悔している。

現在、本書の著者は諸々の理由により、武術界からは離れてしまわれたようだ。残念でならない。出来ることなら、今一度指導を再開していただきたい指導者の一人だと思う。

ちなみに初版本の巻末に、練習用のビデオ販売が記載されていたのだが、まだお持ちの方がいれば、譲って頂けないだろうか。譲って頂ける方は、条件を明記の上、こちらまで、メールにて連絡頂きたい。

本書の続編として〔尋橋編〕が後に自費出版された。こちらは写真が不鮮明なのが残念だが、やはり内容的には良書である。興味のある方は、下記オークション情報をこまめに参照されるか、日本の古本屋などの古書情報を調べてみるとよいだろう。




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